フェイズⅢAというのは、欲しい物と無関係な要らない物の両方を提示した時に、欲しい方の絵カードを選んで手渡せるということです。そのレッスンの様子の動画を見つけたので、紹介します。ただし、この映像は子どもが要らない歯ブラシを選んだ際にエラー修正(4ステップエラー修正)をやっていないという点で決定的な誤りがあるので、その点については注意して見て下さい。
http://youtu.be/v4B5NlVtoX4

フェイズⅢAにおいて、子どもが2つのアイテム(欲しい物と無関係な要らない物)から欲しい方を要求する際に、間違った絵カードを選んだ場合は4ステップエラー修正を行います。これはちょっと複雑な手続きで、モデル(練習)→プラクティス(練習)→スイッチ(切替)→リピート(反復)という手順を踏みます。レッスンの流れは、次のようになります。まず、子どもを2つのアイテムで誘います。その時、子どもが間違った絵カードを渡してしまいます(これがエラーです)。そうしたら、それに対応するアイテムを渡します。すると子どもは、拒否的に反応するはずです。ここから、4ステップエラー修正が始まります。まず、コミュニケーション・ブック上の正しい方の絵カードを軽くトントンと叩いて注目させます(これがモデルです)。次に正しい絵カードのそばで手を開き、身振りまたは身体的にプロンプトします(これがプラクティスです)。そうしたら、子どもは正しい絵カードを渡してくるはずです。しかし、この段階では言葉で誉めるだけで、対応するアイテムは渡しません。その代わり、子どもの視線と気持ちを逸らすために、子どもが出来るごく簡単な活動(例えば、手を頭に置く、床に落とした物を拾うなど)をやらせます(これがスイッチです)。その上で、再び子どもを2つのアイテムで誘います(これがリピートです)。今度は子どもは正しい絵カードを選ぶはずです。そうしたら、それに対応するアイテムを渡して誉めます。こうして書くと大変分かりづらいのですが、このエラー修正をデモンストレーションしている動画があったので紹介します。この動画の中では、欲しい物がボール、無関係な要らない物が靴下です。子ども役は最初、靴下の絵カードを選んで手渡すので、それを貰うのですが、「ノー」と言って投げ返します。コミュニケーション・パートナーは4ステップエラー修正を行います。ここでのスイッチは、ダンスを踊ることです。それでは、前述の手順を確認しながらご覧下さい。
http://youtu.be/SB87dHPMER4

フェイズⅢBはⅢAと異なり、好きな(欲しい)物同士の間からの選択です。子どもにとってはどちらを選んでも利益が得られるので、本当に正しい絵カードを選んで差し出しているかどうか調べる必要があります。これを「対応チェック」と言います。具体的には好きなアイテム2つをトレイに載せて子どもの前に差し出し、子どもが手渡してきた絵カードと同じ物を取れば問題ないわけですが、違った場合は困ります。この場合、どうしたら良いのでしょうか?まず、絵カードと違うアイテムに手を伸ばしてきたら、それを取ることを阻止します。そして、4ステップ・エラー修正を行います。まず絵カードをコミュニケーション・ブックに戻し、正しい方の絵カードを指差したり軽く叩いて教えます(モデル)。そして、その絵カードのそばで手を開いたり、身体的あるいは身振りでプロンプトします。すると今度は子どもは正しい方の絵カードを手渡してくるでしょう(プラクティス)。しかし、ここでは褒めるだけでアイテムは渡しません。次に、子どもができる何か簡単な課題(例えば手を叩くとか手を頭にやるとか)をやらせます(スイッチ)。最後にもう一度、2つのアイテムで誘いかけます(リピート)。今度こそ正しい方の絵カードを手渡してきて、正しいアイテムに手を伸ばすでしょうから、そのアイテムを取らせて褒めます。以上のように、ⅢBのエラー修正は基本的にⅢAと同じ、「4ステップ・エラー修正」なのですが、前後に「対応チェック」が入っているだけ、より複雑になります。PECSの6つのフェイズにおけるエラー修正の中で、最も難しいかもしれません。PECSトレーニング・マニュアルには一連の手続きが表になって載っていますが、それでも実際の子どもを目の前にして、「自動化」するまで熟達するにはかなりの経験が必要でしょう。以上、文章で書いたことをデモンストレーションで見せている動画があったので、英語版ですが紹介します。この動画では、フェイズⅠ〜Ⅳまで子どもが間違った場合の修正方法を紹介しています。
http://youtu.be/ZJiY59xcGEI

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